
ダイヤモンドダストより復刻記事、「ワシのスキー事始めPartC」です。
旭川に行って1年近くたった2月の末か3月の初め、旭川の東、旭山スキー場での事である。1シーズンたっぷり滑ってみんな大分上手になっていた。小学5年・3年・2年の子供を連れてリフトで1番上まで登り尾根伝いにスキー場の端まで行った。新雪に太陽はキラキラ輝き、誠に気持ちがよい。子供たちに「おれが先に滑るから下まで着いたら滑ってこい。」と言って新雪のうしろを振りかえると子供が居ない。よくよく見るとスキーの端が4〜5本見える。これは大変だ。雪の中にもぐって窒息するんじゃないかと、慌てて登ろうとするが、何しろ新雪で急いで登れるものではない。近くを見渡しても人影もまばらで助けを求める人もいない。気も動転せんばかり。それでも一生懸命登っていると、まっすぐに立っていたスキーがフラフラ動きだした。そのうち白い雪の中から、赤いアノラックの様なものが見えだした。祈るような気持ちで歩きながら注視していると1人又2人そして3人全員が雪の上に姿を現した。この時の嬉しさ、安心さ、生き返った様な喜びであった。そのあと3人共直前の経緯を生かして慎重に滑って下で合流することが出来た。後からの子供の話では親の心配とは裏腹に本人達は結構スリルを楽しんだ模様であった。図太い奴等だ。